「ベニサンゴ(サルジ・胡渡)」とは?
ベニサンゴ(紅珊瑚)は古くは地中海のイタリア近海に広く分布しているのを知られており、現在はアフリカ北西岸にまで分布しています。
ベニサンゴは太平洋産のホンサンゴの種類に比べると比較的浅い海で生育しており、水深30mくらいのところから生息しています。骨格の色は濃い赤色で、群体の大きさは20~30cm程度の高さがあり、太さは根元の部分で直径2cm程度になります。
一見、血赤珊瑚と見間違うくらいの濃い赤色をしたものもありますが、血赤珊瑚のような透明感が無く、一番の特徴は『白いフ』が無い事です。
ベニサンゴは珊瑚業界の中では『サルジ』や『胡渡(こわたり)』と呼ばれており、サルジとはベニサンゴの主な漁場がイタリアのサルディーニャ島にあったことからこう呼ばれています。
胡渡とは、古くは日本で宝石珊瑚が採取される以前にもちこまれたもの、国内に流通していた珊瑚は地中海産の珊瑚が持ち込まれたものです。中国を経由して、又は南蛮渡りとして渡来したもので、胡(ペルシアの事)渡りとか南京渡りなどと名付けられました。日本に珊瑚が流通し始めたのは仏教伝来と共に珊瑚も渡来したと言われ、古くから胡渡りと呼ばれていた歴史のある呼び名と言えます。